月額料金がお安いアニメ系動画専門『dアニメストア』はアニメ好きなら一度は聞いたことのある動画配信サイト。実は月額料が全く同じでアニメ作品特化型のVODには『アニメ放題』もあります。VOD比較サイトなどを見ていても名前さえ出て来ないことが結構ある、ややマイナーVODと言える存在ですね。
しかし、少しデメリットもありますが、『アニメ放題』はサービス内容が極端に悪いという訳でもありません。完全見放題・キッズ作品が多いなどの個性もあるVODですので、アニメ特化型VODの契約を考えている場合はチェックしてみて欲しいサービスの一つです。
アニメ放題のサービス概要と特徴
アニメ放題とは
『アニメ放題』はSoftBankが運営してるアニメ作品専門の動画配信サービス(VOD)です。サービス開始は2015年からとdアニメストアよりも遅く、当初はスマホ/タブレット端末のみで使用できるサービスでした。徐々にパソコンやTVでの視聴にも対応するようになってきています。
また、2020年7月20日にソフトバンク株式会社から発表された“会社分割(簡易吸収分割)に関するお知らせ”では、2020年10月1日(予定)に『U-NEXT』に事業を継承させるという事が公表されています。このプレリリース内には
当社グループ全体で保有する経営資源の効率化を進める中で、アニメ作品 に係る調達・企画・配信に関する運営ノウハウを有する協業パートナーであるU-NEXTとの協議を重ね、本事業を U-NEXT へ承継することが本事業そのものの強化および提供価値の拡大にあたり最適であると判断しました。
との記述も。『U-NEXT』は現在の『アニメ放題』のサービスよりも視聴可能端末や支払方法の種類が豊富です。現段階で『アニメ放題』は対応ブラウザの少なさ、ソフトバンクユーザー以外はクレジットカードが無いと支払えないことがデメリットとして挙げられていますが、運営元が『U-NEXT』になることでもう少し選択肢が増える可能性もありそうですね。
配信動画数 | 3,000作品以上 |
利用料金 | 月額400円(税抜) |
別途課金コンテンツ(PPV) | なし |
無料お試し | あり(一ヶ月) |
画質 | 自動/標準画質/高画質(HDくらい?) |
視聴可能なデバイス | スマホ&タブレット:iOS 10 以上、Android 5.0 ~ Android 9.0 パソコン:Mac OS X 10.8 以上(Safari4 ~ 11)、 Windows 7 SP1以上(IE11以上) TV視聴:HDMIケーブル接続、Chromecast 、Air Play |
同時視聴可能台数 | 不可(1台のみ) |
オフライン再生 (ダウンロード) | 可能 (※要アニメ放題アプリ) |
支払方法 | Yahooウォレット(クレジットカード) 携帯料金と合算(※ソフトバンクユーザーのみ) |
解約 | WEBサイト上で即座に解約手続きが可能 |
アニメ放題はマイナーVOD?
月額料金は『dアニメストア』と同じ、公表されている配信数はやや少ないもののレンタル作品が一切ない『アニメ放題』。なるべくお安めでアニメを見られるVODを…と調べた時には競合のような存在かと思いましたが、実は結構マイナーな存在。
みんなのランキング(HANABISHI Inc.)で2020年5月末日に発表された動画配信サービスランキングでの利用者数ランキングではdocomoの『dアニメストア』が7位にランクインしているのに対して、softbankの『アニメ放題』はランキングに名前が登場しないという結果に。ちなみに『U-NEXT』は利用者数・満足度共に3位。『dアニメストア』は満足度2位になっています。
知名度の違いもありますが、支払方法や視聴可能端末の少なさ・ユーザー数が少なく情報が無いことなども関係していそうですね。『U-NEXT』運営になりサービスのPR方法・コンテンツ等の見直しが行われた後にどのような結果になるのか気になるところではあります。
アニメ放題のメリットとデメリット
アニメ放題のメリット5選
月額料金が業界最安ライン
言うまでも無く『アニメ放題』の強みとしては、月額400円(税別)というサービス利用料金の安さが挙げられるでしょう。一ヶ月にかかる料金がランチ代よりもお安いくらいですね。名前の通り、アニメ特化型の動画配信サービスですが、アニメだけ見られれば良いという場合には月々の支払いを抑えて動画配信サービスを楽しむことが出来ます。
また、何社かがアニメ専門の動画配信サービスを提供していますが、月額制のVODで『アニメ放題』の利用料金は『dアニメストア』と並んで最安ライン。毎日そこまで沢山動画を見るわけではない、という方でも負担なく見たいときに好きなアニメを見ることが出来ます。
レンタル作品無し!
月額利用料金が同じでアニメ専門VODである『アニメ放題』と『dアニメストア』。似通ったサービス内容のため比較されることの多い2つサービスですが、『アニメ放題』の特徴としてはレンタル作品無し=追加料金なしで配信動画を全て見られる点が挙げられると思います。
登録してみたけれど見たい動画がほとんど有料(レンタル作品)だった、なんてガッカリ感がないのは嬉しいですね。レンタル料金を見て悩んでしまう自分のようなタイプの方ならば、完全見放題の方がストレスフリーで使えます。また、課金制限などの設定をしなくても良いのでお子さん用としても良いかもしれません。
TV視聴・DLなど一通りの機能が揃っている
『アニメ放題』はスマホ視聴だけではなく、TVでの視聴・スマホアプリを使用してのダウンロード再生などオーソドックスなVODが搭載している機能は一通りそろっています。月額400円(税抜き)かつ配信作品は完全見放題という低コストで、ダウンロード再生と大画面視聴が出来るのは嬉しいですよね。
それ以外にも人気ランキング、ジャンル別表示(14ジャンル)、特集、声優や監督名などでの検索…とアニメを探しやすい機能も準備されています。特集ではマンガ原作・ラノベ原作など原作の系統別であったり、ドラゴンボールやガンダムなど何十年も続くシリーズ作、昭和アニメまで幅広い特集が組まれています。個人的な印象だと特集はすごくアニメに詳しい方向けというよりはライト。アニメを見てみたいけど数がありすぎて分からない…というタイプの人に向いているものが多いように感じました。
アニソン機能は無くなってしまった
2015年のサービス開始当初、『アニメ放題』が特色としていたのは「アニソン再生機能」が付いているという事でした。配信中作品のオープニング/エンディング曲だけを再生するという機能はアニメ好きはもちろんのこと、音楽好きにも注目されていました。
しかしながら、2020年現在この機能は無くなってしまっています。公式サイトのPRページやアプリ紹介にも一切出て来ないんですが、wikipediaやVOD紹介の記事を検索すると未だに「アニソン再生機能」というワードが登場してきます。アプリ画面は見た限りなさそうですし、こちらでは運営に問い合わせをした結果「利用できない」と回答されたことも紹介されています。
作品数がかなり増加している
『アニメ放題』のユーザー数がイマイチ伸びなかった理由としては、アニメ配信数が少ないイメージが影響しているように思います。サービスを開始した2015年時点での動画配信数は1,000本前後くらいだったそうで、2018年までは『dアニメストア』との配信数にかなりの差がありました。
しかし!
2020年現在、公表されている『アニメ放題』の動画数は“3,000作品以上”となっています。この数年で配信作品数が急激に増加し、3,800作品と公表している『dアニメストア』に迫りつつあります(dアニメストアさんも増えているんですけどね)。
両サービスは配信しているアニメ作品が異なり、どちらかで配信されていないアニメもあります。上手く分けているので、両方契約しているという方も結構いらっしゃいますね。とは言え、片方だけ契約する方であっても昔ほど「この作品を見たいんだけど、配信動画少ないし…」という『アニメ放題』へのジレンマはかなり軽減されたと言って良いでしょう。
キッズ向け・名作アニメ類が豊富
『アニメ放題』配信動画の特徴はファミリー・キッズ向けアニメ作品が多い事です。ジャンル別表示のジャンルとしても“ファミリー・キッズ向け”がありますしね。アニソンライブや声優バラエティなどのコンテンツを強みにしている『dアニメストア』はコアなアニメファン向け、『アニメ放題』はお子さんがいる方やライトなアニメ好き向けと紹介されることもあるようです。
見逃し配信も豊富
TV放送中アニメの見逃し配信についても『アニメ放題』はキッズ向け・ライトなアニメファン向けの作品が多い傾向にあります。Rabbids Invasionなどの3Dアニメや小さいお子さんが楽しめそうな作品が多いです。SAOやRe:ゼロなどの人気作、BL作品の巨人族の花嫁なども配信されていますが。
ちなみに『アニメ放題』で視聴できるTVオンエア作品の一覧は、契約前でもアニメ放題のサイトで確認可能。配信作品以上に見逃し配信で見られるアニメはVOD毎に違うのでご自身が見たいアニメがあるか検討中の動画配信サービス全てを確認することをお勧めします。
※画像は記事作成のもの。シーズンによって変わります
アニメ放題のデメリット3つ
TV視聴は非対応も結構多い
『アニメ放題』はスマホだけではなくTVでも動画を見ることが出来ます。しかし、対応しているテレビ出力方法が限られておりFire TV、Android TVには対応していません。PS4などのゲーム端末からの視聴も不可能です。
2020年8月現在、公式サイトで公開されている対応TV視聴環境は
■スマートフォン、iPhone/iPadとテレビをHDMIケーブルで接続する場合
・HDMI出力に対応しているスマートフォン端末
・iOS11以上搭載のiPhone、iPad■AirPlay、ChromeCastを利用して視聴する場合
・Android5.0以上のスマートフォン・タブレット
・iOS11以上のiPhone・iPad引用元:対応機種|アニメ放題
となっています。Fire TV/Fire TV Stickを既に所有している方、専用の端末を買わずにPS4などのゲーム機を使って視聴したいと思っている方には向きませんね。
PC視聴も対応ブラウザが微妙
TVだけではなく、パソコンでの視聴についても『アニメ放題』は対応ブラウザが限定されているため注意が必要です。個人的にはTV視聴でFire TVとAndroid TVに非対応なことよりも、こちらの方が厳しく感じます。
2020年8月現在、公式サイトで公開されているPC視聴対応OS・ブラウザは
Microsoft Windows 7 SP1以上(Windows8についてはClassicモードのみ対応)
・IE11以上Mac OS X
・Safari(8から11)引用元:対応機種|アニメ放題
…Mac勢はおそらく問題無いと思いますが。
Windows勢の方、どう思います?
普段パソコンでWebサイトを見るブラウザとしてIE=Internet Explorer使っている方はさほど多くはないのではないでしょうか。アニメ専門VODの契約を検討するような方であれば尚更、googole chrome派の方が多い気がします(自分はクロームはです)。
譲るとしても、せめてEdgeですよね。windows10の場合、デフォルトでIEはスタートアップアイコンに登録されておらず“windowsアクセサリ”から掘り出して立ち上げる形式のはずです。コロナの給付金申請サイトとかIEのみ対応のサービスもありますけれど…日常的に『アニメ放題』の動画を見るためだけにIEを使うというのは微妙な気がします。
新作のアニメ映画は基本無い
上記2つのデメリットからすると軽微というかサービス方針の違いによるものですが、月額料金内で完全見放題(レンタル作品無し)である関係上『アニメ放題』には最新作アニメの配信はありません。レンタル料金を追加で支払っても良いから、1サービス内で新作を見たいという方は『dアニメストア』の方が良いでしょう。
アニメ放題が向いている方は?
アニメ放題が向いている方
- アニメ放題で見たいアニメが配信されている
- スマホ/タブレットでアニメを見たい
- 子どもにアニメを見せたい
- 声優やアニソンライブはあまり興味がない
- 全て月額料金内で見たい
- そこまでアニメに詳しない
個人的な見解
同料金なので配信動画数だけを見ると『dアニメストア』に軍配が上がりますが、数が多くても見たい作品が配信されていなければ意味がありません。“アニメ放題のみ配信”作品、“dアニメストアのみ配信”作品も多くありますので、見たいアニメがある方はどちらで配信されているか・どちらの方が見たいアニメの配信数が多いのかをチェックすることをお勧めします。
キッズアニメを見たいなら『アニメ放題』
アニソンライブや声優コンテンツは『dアニメストア』
という傾向もありますしね。
また、PCやTVでアニメを見たいという場合であれば、現時点だと対応端末の広い『dアニメストア』の方が確実。ただしスマホ/タブレットで視聴する予定の方などはあまり関係ありません。画質も『dアニメストア』の方が設定が細かいのですが、最高画質は同じくらいと感じる方が多いようです。両社とも自社基準の表記のため分かりにくいですけれど。
そこまでアニメに詳しくない(見たいアニメがどのVODにあるかを調べようと言われてもピンとこない)自分のようなタイプであれば、特集は『アニメ放題』の方が見やすいかと思います。良くも悪くもシンプルで、有名な作品も多いので見てみようという気分になります。
レンタル作品が無い点もストレスフリーで◎。
auユーザーとしては、dアカウントよりもYahoo IDの方がまだ使う場面があるので、アカウント登録の面倒臭さもそこまで感じません。Yahooショッピングやフリーアドレスの取得とかですね。
PC/TV視聴のためのブラウザと端末が限られていることがネックですが、10月からU-NEXT運営になることで改善されることを期待しています。U-NEXTは考えられるほとんどの端末で見られる動画配信サービスですしね。運営が変わったことで何が変更・改善されるのかを見定めてから契約するかを決めても良いかもしれません。