最近有名MMORPGや新作ゲームで目にする“カセゲ―対応”もしくは“稼ゲ―”という表記。何となくお小遣い稼ぎができるゲームと言う印象を受けますが、一体どんな仕組みになっているゲームなのか。「DAppsゲームってゲームのジャンルじゃないの?」とか思っていた仮想通貨ド素人の筆者が気になって調べたこと、DAppsゲームと“カセゲ―対応”ゲームとの違いをまとめてみました。
仮想通貨ゲームとは?
仮想通貨ゲームの仕組みを簡単に紹介
近年ゲーマーたちの間で話題となっているのが“ブロックチェーンゲーム”と呼ばれる、仮想通貨の根幹技術であるブロックチェーンのシステムを使用して運営されているゲーム。ブロックチェーン技術を活用して運用される非中央集権(中央管理者なし)・分散管理型のアプリケーションを“DApps(ダップス)”と呼ぶことから「dAppsゲーム」とも呼ばれています。
そもそもブロックチェーンって何?
仮想通貨の取引を支える技術と言われているブロックチェーンの仕組みを詳細に解説できるほど仮想通貨もしくはエンジニア的知識はありませんので、すっごく簡単に書きます。詳しく知りたい方は自力で調べてください。。
ブロックチェーンは大雑把に言うと“取引所”がなく、ユーザー同士で管理(取引き)が出来るシステム。例えばAさんとBさんがお金のやり取りをする場合、従来であれば
Aさん→銀行→Bさん
という流れで銀行=中央機関を通してやり取りします。
これがブロックチェーンの場合だと
Aさん→Bさん
と中央機関を挟まずに直接やりとりをする感じ。
では顧客台帳や取引履歴はどうなるのかと思いますよね? ブロックチェーンの場合は顧客の台帳をネットワークを通して不特定多数のコンピューターに共有し、互いの取引を監視できるような仕組みになっています(※暗号化されているのですべてが筒抜けになっているわけではありません)。
おそらくここが“チェーン”なわけです。どこかがハッキングされて書き換えられても、ほかのコンピューター上のデータと見合わせればすぐに発見される、このため中央機関がなくとも高いセキュリティを持つシステムとしてBitcoin(ビットコイン)を筆頭とした一部の仮想通貨取引に採用されているんです。
ブロックチェーンゲーム(dAppsゲーム)とは
ブロックチェーンゲームはその名の通り“ブロックチェーンを使ったアプリケーションゲーム”のことです。厳密に見ると言葉の使い方がおかしいという指摘もありますが、基本的にはdAppsゲームと呼ばれるものも同じ仕組みのゲームを指しています。
dAppsゲームの特徴は、仮想通貨のプラットフォーム上で動き仮想的な資産の売買が可能であるという点。ゲームをすることでトークンを得られる=仮想的な資産を得ることが出来るということです。このため日本語では「仮想通貨ゲーム」と表現されることもあります。
トークンというのは企業によってブロックチェーン上で発行された独自コイン=リアルマネーではなくゲーム内通貨や楽天ポイント的なもの。そう言われるとブロックチェーンゲームだけではなく大体のゲームにお金要素あるやんけ…と思いますけれど、ブロックチェーンゲームのもう一つの特徴として「ゲームアイテムの売買が可能」であることが挙げられます。
これまで多くのゲーム・その運営会社はゲーム内コンテンツの売買を認めていませんでした。某SNSや掲示板を使って売買している方もいらっしゃいますが、いわば闇ルート。取引に関しての詐欺も珍しくありませんし、個人情報の流出など不安要素が非常に多いもの。
しかしブロックチェーンゲーム(仮想通貨ゲーム)の場合は最初からキャラクターやアイテムなどが“アセット(資産)”、一種の金銭価値を持つ“仮想通貨”として扱われます。プレイヤーはアドレスや銀行口座などの個人情報を明かすことなく、ブロックチェーン上でゲーム内コンテンツの売買が可能なのです。ブロックチェーンは売買履歴を記録していますから、個人売買のような詐欺のリスクも極めて低いです。
アソビモ『カセゲ―』のシステムについて
『カセゲー』の概要
『カセゲー』はスマホアプリの開発・運営を行っているアソビモ株式会社が進行しているプロジェクト。アソビモさんと言えば『アヴァベルオンライン』や『イルーナ戦記』など有名どころのオンラインゲームを作っている、大手の企業ですよね。
『カセゲー』概要としては
- ゲームをプレイしてカセゲ―ポイント(KP)を入手
- カセゲ―ポイントをアソビコイン(ABX)に交換
提携ゲームのアイテム及びコンテンツをABXで売却 - アソビコインを使用してゲーム内アイテム、電子コミックなどデジタルコンテンツの売買を行える
というもの。アソビモさんが提供するオンラインゲームに、上記で紹介したブロックチェーンゲーム(仮想通貨ゲーム)の仕組みを取り入れつつライトにした感じです。
ゲームの進行によってカセゲ―ポイントがもらえる“カセゲ―対応”はアソビモ株式会社が提供するゲームを中心に実装され、現時点で『アヴァベルオンライン』や『アヴァベル ルピナス』『イルーナ戦記オンライン』『アルケミアストーリー』などメジャーなMMORPGの大半が該当ゲームとなっています。そのほかにタップリアル株式会社からリリースされている『海賊仁義アルベルト』『ムーンライトナイツ』など。
対応ゲームについては「カセゲー」プラットフォームに掲載されています。
https://kasege.jp/
ASOBI COIN(アソビコイン)とは
ASOBI COIN(アソビコイン/ABX)はアソビモが発行する、デジタルコンテンツの中古売買を目的に誕生した仮想通貨。
現時点でアソビコインの使用先はアソビマーケット(DiSEL)での、対応しているゲームアイテムの購入と中古電子書籍の購入。ゲーム内コンテンツの売買についてはアソビモ提供の『アヴァベルオンライン』や『アヴァベル ルピナス』のもの、別会社が提供するカセゲ―対応の『ムーンライトナイツ』などのものが販売されています。
『カセゲ―』が期待される意味での“稼ゲー(稼げるゲーム)”、仮想通貨ゲームとして機能するには現金化=仮想通貨から法定通貨への換金が欲しいところですが。一時的に取引所にも上場されていたこともあったようですが、現時点で筆者が調べた限りリアルマネーへの換金は行われていないようです。課金コンテンツなど使用する際には手数料(Gas)として仮想通貨のイーサリアム(EHT)が必要なようですが、EHTに変換かも不明…。
アソビコインの利用には仮想通貨資産の保有に必要なウォレット(財布)が必要となるため“Asobi Wallet”というアプリも配信されているのですが、公式サイトにインストールと使い方以外に何の説明・コンテンツも無いという状態。まだ「進行しているプロジェクト」として紹介されるものですから、取引関連については今後に期待という部分も大きいですね。
アソビコインについては公式サイトよりもこちらの方が詳しいです↓
https://makbee.net/asobi-wallet/
カセゲ―、仮想通貨ゲームって危なくない?
ブロックチェーンゲーム(仮想通貨ゲーム)でお金を稼ぐ仕組みを大まかに言えば、ゲーム内コンテンツや利権を増やす/育てる→それを売却する→現金化するというもの。そこに仮想通貨の取引額が絡んできたり、アセットを得るための投資として仮想通貨でゲーム内コンテンツの利用やアイテム購入などを行っていきます。
将来的にどうなるかは定かではありませんが、現時点でアソビコインはカセゲ―対応コンテンツと公式ショップ内でのみの利用が主とかなり用途が限定されています。とりあえず今はゲームをプレイしていると、そのコインでゲームアイテムや電子書籍が変えるシステム程度。ブロックチェーンを使用したアイテム売買は、個人売買よりも安全であることはほぼ間違いありません。
また、カセゲ―対応ゲームのプレイでポイントを貰ってアソビコインに変換することはあっても、現時点ではアソビコインをわざわざ購入するという感じでは無いです。コンテンツ内課金要素であれば手数料のかからないクレカなどで支払う方が多いと思いますので、売りに出されているアイテムを購入したい方くらいですよね。
なので賭け事感覚で大きなマイナスを出すというリスクは低いと考えられます。ただし、カセゲ―対応ゲームをプレイしたとして、有名どころのブロックチェーンゲーム(DAppsゲーム)のようにン十万単位で稼げるという事もなさそう。将来的にどうなるかは分かりませんが、現時点でローリスクローリターンなかなり健全な仕組みなのではないかなと。
お金を稼ぐというよりも「本が実質無料で買えるかも」「ちょっとお得に有利にゲームをプレイできる」程度に思っておいた方が良いように思います。将来的に使える幅が広がる・取引可能になると信じてカセゲ―ポイント/アソビコインを貯めておいても良いかもしれませんが…現時点で“お金を稼げるゲーム”ではないと自分は思います。