世界各国で利用されているメジャーな動画配信サービス(VOD)の一つNetflix(ネットフリックス)。日本でもVOD加入を検討するとHulu・U-NEXT・Amazonなどと共に必ずと言って良いほど名前が出てくるサービスですね。
名前は結構耳にする機会が多いNetflixですが配信動画のラインナップにはクセがあり、オリジナルコンテンツを好きか嫌いかで月額利用料のコスパが良い・悪いの判断も変わってきます。
『Netflix(ネットフリックス)』について
動画配信サービス『Netflix』とは
Netflix(ネットフリックス/略称ネトフリ)は1997年に創業されたアメリカのオンラインDVDレンタル及び定額制動画配信サービス運営会社で、日本では2015年からサービスを開始しています。
Huluが日本テレビ傘下のHJホールディングス株式会社に買収、U-NEXTは最初から日本企業であるのに対して、Netflixは経営上日本法人として独立しているもののアメリカ本社の会社というのが大きな違いと言えそうですね。そのためかNetflixは洋画・海外TVドラマのラインナップに強いことが特長と言えます。
また様々な制作会社と提携して「NETFLIXオリジナル」コンテンツの作成にも意欲的な会社さんで、オリジナルコンテンツの多さは群を抜いていると評価されることもしばしば。映画・ドラマ・コメディ・ドキュメンタリー・アニメなど様々なジャンルのオリジナル作品が配信されています。
独占配信権をNetflixが獲得している作品も多いですし、Netflixが制作発注した作品の制作に1億ドルを投じた、なんてニュースも。かなり費用を投資しているのでオリジナルコンテンツも俗に言うB級映画のような感じではなく豪華な監督・俳優陣が起用されているものもあります。潤沢な資金でオリジナル性を打ち出す、まさにアメリカ企業という感じの印象があります。
配信動画数 | 未公開 |
利用料金 | ベーシック:800円 スタンダード:1200円 プレミアム:1800円 (※全て月額/税抜) |
別途課金コンテンツ(PPV) | 無し |
無料お試し | 無し |
画質 | ベーシック:SD スタンダード:HD プレミアム:UHD/4K |
視聴可能なデバイス | インターネットに接続できるパソコン/スマホ/タブレット類、Netflix推奨テレビ、VOD非対応TV+接続機器(PS3/PS4/WiiU/ブルーレイレコーダー/Fire TV Stickなどのメディアストリーミング端末) |
同時視聴可能台数 | ベーシック:1台 スタンダード:2台 プレミアム:4台 |
オフライン再生 (ダウンロード) | 可能 (プランにより利用デバイス数は異なる) |
支払方法 | クレジットカード、デビットカード、プリペイドカード、Netflixプリペイド・ギフトカード、パードナー課金(J:Com/au/SoftBank/日本ケーブルテレビ事業者) |
解約 | WEBサイト上で即座に解約手続きが可能 |
『Netflix』の5大メリット
オリジナルコンテンツがスゴイ
Netflixの強さは何といっても独自配信・オリジナルコンテンツの豊富さとクオリティの高さです。他の動画配信サービスでオリジナルコンテンツとして配信されているのはドラマや映画の特別編(スピンオフ作品など)やバラエティの未公開シーンなどが大半を占めていますが、Netflixのオリジナル作品にはNetflixが一から作ったものも多くあります。
Netflixオリジナルとして代表的な作品が2016年から配信された“ストレンジャー・シングス 未知の世界(Stranger Things)”。社会現象的なブームとなった作品であり、クリエイティブアーツ・エミー賞を複数部門で受賞しています。このことからもオリジナル作品のクォリティの高さがうかがえますよね。
加えて過去に放映されていた映画やTV番組の続編がNetflixと共同製作、というオリジナル作品もあります。大人気シリーズである「フルハウス」の続編“フラーハウス”や、ドリームワークス制作のテレビアニメ「ヒックとドラゴン」の続編となる“ヒックとドラゴン: 新たな世界へ!”などが代表的かなと。
そのほか映画“ミスト”のドラマ版、ピース又吉の“火花”のドラマ版など…数えきれないほどのオリジナル作品が配信されています。日本のコンテンツとしては国民的アイドル嵐のドキュメンタリー“ARASHI’s Diary -Voyage-”の配信が話題となりましたし、山田孝之主演の“全裸監督”もNetflixによってドラマ化されたものですね。
Netflixオリジナルコンテンツは有名映画ばりにクオリティの高いものも多く、かつ(配信動画数が未公開なので確かなことは言えませんが)700~800作品ほどが配信されていると推測されています。Netflix=オリジナル作品と言われるだけのことはありますね。
自分が探せないだけなのか…Netflixトップから配信コンテンツ一覧に行けないので、Netflixオリジナルコンテンツのラインナップページへのリンクを張っておきます。気になった方はぜひご確認ください。
利用方法に合わせてプランが選べる
HuluやU-NEXT、Amazon(prime video)などの動画配信サービスと異なる点として、Netflixは利用者のニーズに合わせて3つのプランが選択出来るという点も挙げられます。用意されているプランは
- ベーシックプラン-月額800円(税抜き)
1つのデバイスで視聴可能
SD画質のみ(480p) - スタンダードプラン-月額1200円(税抜き)
同時に2つのデバイスで視聴可能
HD画質(720p/1080p)まで - プレミアムプラン-月額1800円(税抜き)
同時に4つのデバイスで視聴可能
UHD 4K画質(2160p)まで
という3種類。
私たちが普段見ている地上波TV番組は基本的にHD画質(720p)で、SD画質(480p)はアナログ放送程度もしくはDVD画質と呼ばれるもの。テレビで見るとSD画質はちょっと粗が目立ちます。UHD(4K)画質はHDの4倍の画素数で、簡単に言えば超高画質。とは言え、40~43インチくらいまでの画面サイズまではHDとUHDに大きな差は感じられないとの意見が主流です。
なので、例えば4K対応テレビがあり最高画質で見たい・家族それぞれがスマホや自室のテレビでもNetflixを見たいという場合はプレミアムプラン、一人暮らしでテレビもスマホでみることが多いという方なら消費税を入れても1000円以下のスタンダードプラン…と環境に合わせてプラン選べるのはメリットと言えるでしょう。
ちなみに視聴出来るコンテンツそのものに関してプランによる制限はありません。Netflixで公開されているコンテンツはどのプランでも追加課金なしで視聴することが出来ます。
プランに応じてダウンロードも可能
Netflixでは配信作品のダウンロードも可能(※一部除外あり)。ただし、ダウンロード画質・ダウンロード可能デバイス数も契約しているプランによって異なります。Netflixではどのデバイス毎のダウンロード上限が100本までと決められていますから、同時視聴可能台数が増える上位プランになるほどダウンロードできる作品数合計も増えていく計算ですね。
レコメンド機能・マイリストが優秀
Netflixの機能として高く評価されているのが、視聴履歴や世界中の会員の評価などを基に独自のアルゴリズムによってそれぞれのユーザーにおススメの番組を提案する「レコメンド機能」。
amazonや楽天市場などで商品を探したりしていると関連商品・おすすめ商品が表示されたりしますが、あれの動画版のような機能です。最初はプロフィール登録時に回答した好きな作品を元におすすめ作品が表示され、動画を見るほどにレコメンド機能の精度も上がっていきます。
契約するときはお目当ての作品がある方が多いと思いますが、その後にNetflixのように海外ドラマやオリジナルコンテンツが多いと何を見ようか困ってしまいがち。そんなときに好きそうなドラマをラインナップしてくれる機能があることで、タイトルさえも知らなかった好みの作品に出合うチャンスをくれるのです。Netflixユーザーの過半数がレコメンド結果から動画を見ているそうですよ。
また、Netflixには気になった動画をお気に入りとして登録できる「マイリスト」も用意されています。プロフィールごとに最大500作品まで登録できることに加え、レコメンド機能と同じように最も興味がありそうな作品から順に並べ替えて表示してくれるという親切設計。マイリストへの登録日・新シーズンが最近視聴可能となったか・配信終了日が近いかなども考慮され、かつFacebookと連動していると友人が最近見たものも優先順位が上がるのだとか。
とりあえず目的の動画は見た、次はどれにしよう。
という時におすすめ動画の提案(レコメンド)を見る→気になった動画をマイリストに登録。これで少しすると登録した動画が良い感じに並び替わっていたり。
字幕・吹き替えが幅広い
Netflixは世界各国で提供されているサービスのためか、吹き替えや字幕の設定が豊富です。もちろん言語や字幕の切り替えは動画視聴中にスムーズに切り替えることが出来ますし、競合のVODでは「字幕オンリー」という作品が多い中、日本語吹き替えに対応している洋画や海外ドラマが多く配信されているため吹き替え派の支持は厚いです。作品にもよりますが中国語・韓国語・フランス語など世界各国の言語を選べるものもありますよ。
さらに、英語を学習している方たちの間で人気なのが“Language Learning with Netflix(LNN)”という機能。Netflixに搭載されている機能ではなくGoogle Chromeの拡張機能なのでパソコンからの視聴に限定されますが、LNNを拡張機能に追加したGoogle ChromeでNetflixの動画を開くと英語と日本語の二重字幕で動画を見ることが出来るようになります。拡張機能LNNは基本無料で提供されており、字幕を表示する以外に英単語辞書機能なども搭載。好きな作品を見ながら英語の勉強にも繋がるのが嬉しいですね。
キッズ制限可
ちなみにNetflixもアダルト作品の配信は一切行っていません。とは言え、公開されている作品の中にはR指定の映画もありますし、スリラーやカルト、ダークコメディなどお子さんに見せたくないという方が多いジャンルも豊富です。なんたってAV監督が中心の“全裸監督”を配信しているVODですからね。
そんな時のためにNetflixでは“ペアレンタルコントロール”という機能を使って視聴制限を行うことも出来ます。Netflixでの視聴制限はプロフィール(アカウント)毎に設定できます。なので視聴制限を行いたいお子さんがいらっしゃる場合はそのためのプロフィールを作成する必要があります。ここで[キッズ]を選択するとそのアカウントにはNetflixキッズ向け画面が表示され、アカウント設定にはアクセスできなくなるというオマケつき。
かつ“ペアレンタルコントロール(視聴制限)”もON/OFFだけではなく、お子さんの年齢に応じて
- キッズ(G)
- 中高生(PG12)
- 成人(R15+、R18+)
と年齢によって設定できるほか、制限対象の中に「これは見せても良い」と思う作品があれば個別に制限を解除することもできます。もちろん個別に制限をかけることも可能ですよ。
『Netflix』のデメリット
オリジナル以外の作品数は少ない
Netflix最大の強みはオリジナル作品の豊富さとクオリティの高さ…ですが、オリジナル作品以外の品揃えに関しては正直微妙なところです。配信動画の数については非公開となっていますが、おそらく6,000~9,000程度、1万まではないだろうと推測されています。
メジャーなVODで公表されている動画配信数は、
- Hulu:60,000本以上
- Amazon:50,000本以上
(※別途課金作品含む) - U-NEXT:20,000本以上
(※別途課金作品含む)
U-NEXTやdTVに関しては100,000本以上と公表されていますから、10,000あるかどうかのNetflixとは桁が一つ違いますよね。Netflixと同じく完全定額見放題サービスであるHuluと比較しても、見られる動画は1/6以下程度と考えられる訳です。ちなみにAmazon prime videoの見放題作品数はたいだい1万本程度とNetflixと同じくらいです。
さらにNetflixの場合は洋画や国内作品が少なめ、最新映画の配信開始も遅めです。配信作品も違うので一概に比較はできませんが、海外ドラマは比較的豊富、アニメも少なくはありませんがやや古めの作品が多い印象です。国内ドラマ・バラエティ・お笑い・アイドル番組をよく見る、という方であれば間違いなくHuluの方が楽しめるでしょう(※お好きな人がNetflixオリジナル作品に出演されていない場合)。
Netflixのデメリット・解約した理由としても「配信コンテンツ数」が多数を占めるのではないかと思います。他社とは比較できないオリジナルコンテンツが主力ともいえる配信サイトですから、Netflixオリジナル作品にどれだけの価値を見いだせるかた解約・継続の分かれ目になっているのではないでしょうか。
プレミアムプランは高め
Netflixのベーシックプランは月額800円(税抜)と、Amazonよりは高いものの全作品見放題のVODとしてはかなりお安めになっています。しかしベーシックプランはSD画質・同時視聴不可(1端末のみ)という縛りがあり、大きめの画面の端末で見たい・家族それぞれ好きに見られるようにしたい…となるとスタンダードもしくはプレミアムプランでの契約となります。
Netflixはプレミアムプランになると月額1800円(税抜)と、1,990円のU-NEXTとほとんど変わらない価格になります。どちらも同時視聴4台までで、作品により4K対応。U-NEXTでは毎月最新映画のレンタルやマンガの購入に使える1,200ポイントが付き、雑誌・漫画・小説やラノベなども読めるとなればNetflixのコスパは良くないと評されるのも納得ではありますね。
2020年5月にはU-NEXTの「見放題作品数が18万本を突破」したことが報じられました。となるとU-NEXTの配信動画量はNetflixの約18倍(アダルトも有)。コスパ問題についてもコンテンツ量と同様、Netflixオリジナル作品にどれだけの価値があると捉えるかによって評価は変わる部分。ですが色々な作品を見たい場合はNetflixプレミアムプランよりもU-NEXTと契約した方が満足度は高いでしょう。
全てが4K対応ではない
「居間にあるテレビで高画質な映画を楽しみたい」とNetflixプレミアムプランで契約してとしても、実は配信動画のすべてがUHD 4Kに対応しているわけではありません。あくまでも対応作品は4Kで見られるよというだけの話なのです。HDまでしか対応していない作品も多く、4K対応作品はNetflixオリジナルコンテンツ中心なのが現状。また、4Kとなっていても超高画質感を感じられない古い作品もあったりと…4Kで見られると期待しすぎるとガッカリすることも。
無料お試しが出来ない
以前Netflixには30日間の無料体験期間が設けられていました。
しかし2018年に月額料金値上げ、2019年12月に無料トライアル打ち切りと、これから試してみたいという方にとってのハードルが上がっています。Netflixの最大の強みはオリジナルコンテンツですが、TVや映画として公開されていない作品のクオリティは未知の世界。オリジナル作品に魅力を感じるかどうかを試す期間がなく、いきなり月額料金を払うというのは勇気が要りますよね。
『Netflix』の契約・解約方法、向いている人
『Netflix』の契約・解約方法
契約方法
- Netflix公式サイト
もしくはNetflixアプリを開く - 画面中央のフォームにメールアドレスを入力して「アカウントを作成する」をクリック
- プラン選択画面で契約プランを選ぶ
- アカウント作成画面になるのでパスワードを決める
- 支払方法を設定する
登録完了を押すとNetflix契約は完了、動画視聴が行えます。
画面では続けて動画視聴に使うデバイス選択、プロフィール作成や作品の好みの設定などが表示されるので登録してみましょう。
解約方法
- Netflix公式サイトを開き、画面右上の「ログイン」をクリック
- メールアドレスとパスワードを入力する
- メインプロフィールを選ぶ
- アカウント情報を開いて「メンバーシップをキャンセル」をクリック
- 注意書きやキャンセル日などが表示されるのを読み、納得したら最下部にある「キャンセル手続きの完了」をクリック。
これで解約手続きは完了です。
登録したメールアドレスにキャンセルを受け付けたというメールが届きます。
『Netflix』が向いている人
- Netflixオリジナル動画に見たい作品がある
- 海外ドラマが好き
- 一人暮らし・画質はあまり気にしない
- なるべく吹き替えで見たい
- 日英2重字幕で英語を勉強したい
大雑把に言うとこの5つでしょうか。
重要なのは特に「Netflixオリジナル作品」が魅力的に感じるかどうか、ですね。オリジナルコンテンツ・独自配信の内容に興味を惹かれないのならばその時点で別の動画配信サービスを選んだ方が良いと思います。
また、利用人数が1~2人かつ画質にこだわりは少ない・主にスマホで見るという場合はスタンダードプラン800円で良いのでコスパが良いです。海外ドラマに重点を置いている場合は各VODそれぞれ配信コンテンツに違いがあるので、自分が好きなタイトルやジャンルがあるかを確認することをお勧めします。
良くも悪くもNetflixは配信コンテンツに偏りというかクセがありますし、無料お試し期間もないので、自分の求めているコンテンツがあるかを確認してから申し込みすることをお勧めします。これだけ書いておいて恐縮ですが、筆者は現在解約中です。。