昨年のリリース発表後から注目度が高く、事前登録数も多かった期待の学園アドベンチャーゲーム『ディズニー ツイステッドワンダーランド』(通称ツイステ)。イケメン化したディズニー作品の“ヴィランズ(悪役)”が大人気ですが、遊べる要素も盛りだくさんでゲームとしても結構楽めそうな予感がします。
『ツイステッドワンダーランド』はどんなゲーム?
配信会社・概要
『ディズニー ツイステッドワンダーランド(ツイステ)』は2020年3月18日にリリースされた、ヴィランズ学園アドベンチャーゲーム。ウォルト・ディズニー・ジャパン協力のもと、アニプレックスさんが配信されています。ディズニーと言えば著作権関係に結構厳しい印象があり、ディズニー作品の登場人物にインスパイアされたキャラクターたちが登場するという時点でかなり珍しい部類です。ディズニー公式の乙女ゲームって初なんじゃないでしょうか。
しかも、ゲームのメインとなるのは王子様や主人公ではなくヴィランズ(悪役/敵役)。
ツイステッドワンダーランドへようこそ
本当のハッピーエンドを見せてやる参照元:ツイステ公式サイト
ディズニー作品中では悪役としてヘイトを集めつつ物語を彩っていた彼ら。この悪役たち(ヴィランズ)の真の姿を描く、というのがツイステの主題でありポイント。ちなみにキャラクターはそのままの悪役ではなく「ヴィランズの魂を持つ生徒」という設定です。悪役ってカッコいいよね…。
ジャンル的には“ヴィランズ学園アドベンチャーゲーム”と紹介されていますが、ノベルゲームに近いアドベンチャーではなく、バトル・音ゲー要素も含まれています。大ざっぱに言うとリズムパートとノベルパートの2つを並行して進めていく形のゲームです。シナリオを読んで選択肢を選んでいくだけではない多彩なゲームシステムにより、飽きることなくプレイを楽しめます。
世界観(設定)
『ディズニー ツイステッドワンダーランド(ツイステ)』はタイトルにもなっている【ツイステッドワンダーランド】という異世界が舞台。おとぎ話の先に繋がるゆがんだ世界に主人公が迷い込んでしまったところから物語が始まります。
行く当てのない異世界人であるあなた(主人公)を保護してくれたのは、ペストマスクのような仮面をつけたディア・クロウリーさん。【ナイトレイブンカレッジ】という名門の魔法士養成学校の学園長です。(余談ですが声優はブラピもやっている宮本充さんですよ!)
「私、優しいので」と自分で言っちゃう学園長の好意により、元の世界に戻るまでのあいだ【ナイトレイブンカレッジ】での滞在を認められた主人公。猫っぽい見た目のパートナー“グリム”と共に、魔法学校で生活しながら誰もが知っている有名ディズニー作品の悪役たち(ヴィランズ)の魂を持つ生徒達と知り合っていきます。彼らは才能はあるけれど個性的で協調性なしの、イケメン問題児というポジションです。
ゲームシステムは下で紹介していますが、寮のシステムと言い、授業光景と言い、ゲームの雰囲気はtheディズニーというよりもイケメン版ハリーポッターという感じです。
『枢やな』先生が原案、 メインシナリオ、 キャラクターデザイン担当
ディズニー世界からのインスパイア乙女ゲームというだけでも十分にすごいですが、ツイステは原案・メインシナリオ・キャラクターデザインを“枢やな”先生が担当しています。あの『黒執事』の作者様であり、乙女にとってはもう神様域の先生ですよね!
そのためか各キャラクターはイラストが美麗にして各個性がしっかりと出ているのはもちろんのこと、ストーリーモードでも乙女ゲームにありがちな「ガッカリ感」がありません。稀にありますよね、途中で口調がおかしくてキャラ崩壊してたり、先が分かりすぎて萎えちゃうやつ。その点、ツイステはディズニーと枢やな先生の名前がドドーンと出ているせいか、手抜き感がないんです。話題作であるのも納得と言える、クオリティの高さ。枢やな先生ファンも必見では?
フルボイス&Live2D対応
ツイステはフルボイスアドベンチャーゲーム。起用されている声優(キャスト)陣には「東京喰種」の金木研役“”さんをはじめ、「ミュージカル・テニスの王子様」や「ミュージカル刀剣乱舞」など2.5次元ミュージカルに出演されていた方々も。完璧に狙ってきている感もありますが、ファンの皆さんには嬉しいポイントなのではないでしょうか。
また、最近リリースされている多くのゲームと同様に、Live2D対応でキャラクターはヌルヌルとした滑らかな挙措で笑ったり怒ったりと感情を表現してくれます。動きがあるとより一層キャラクターに感情が入りますよね。個人的にはゲームモードの時に出てくる、アバター調な3頭身くらいのデフォルメキャラも可愛くて好きです。
『ツイステッドワンダーランド』のゲームシステム
ゲームシステム
『ディズニー ツイステッドワンダーランド(ツイステ)』は、大まかに分けると
- ストーリー
- レッスン&テスト
の2つで構成されています。
レッスンとテストは別物のように見えますが、レッスンからキャラを育成→テストで魔法士のランクを上げるという流れが公開されていますから、合わせて“育成要素”とでも言うべき部分です。
レッスン&テスト
キャラクターはゲーム内では「召喚」と呼ばれる、所謂ガチャで出現。5人のカードを選んでレッスンで授業を受けさせ、パラメーターを上げたりパーソナルストーリーを解放していきます。
レッスンの項目はさらに魔法史・錬金術・飛行術の3つに分かれており、
魔法史→カード経験値
錬金術→魔法経験値
飛行術→エピソード経験値
と、授業によって上がるパラメータと入手アイテムが異なっています。ゲームを進めるのに必要で時間と共に回復するライフやAPと呼ばれるものがありますが、ツイステの場合はこのレッスンでAPを消費します。
授業はタップで進めていきますが、時間がない・面倒な場合はオート機能やループ(APがなくなるまで繰り返し同じ授業を進めてくれる)機能を使って自動化することも可能。ガッツリやりたい派、ルーティンが多いと飽きてしまう派、両方が無理なく楽しめる仕様となっています。
ストーリー
ストーリーは更に
- アドベンチャーパート
- リズミックパート
- バトルパート
の3パートに分かれています。
アドベンチャーパート
アドベンチャーパートと呼ばれる部分が読んで字のごとく、乙女ゲームやアドベンチャーという言葉に最もしっくりくる部分。キャラクターの立ち絵とシナリオでストーリーが進んでいくアレですね。メインストーリー以外に各キャラクター固有のパーソナルストーリーもあり、クリアすると魔法石がゲットできる仕組みになっています。
リズミックパート
リズミックパートは所謂リズムゲーム(音ゲー)。
一応最低限のスコアを取らないとストーリーにも影響が出ますが、ストーリーを進めるためのリズミックパートは“EASY”なので音ゲーが苦手な方でも引っ掛かって進めない!ということは滅多にないです。メインストーリーでクリアしたリズミックパートはいつでもプレイできるようになり、難易度の高いバージョンも解放されていきます。クリアするとマドル(お金)やアイテムをゲットできますよ。音ゲー好きさんはミニゲーム感覚でチャレンジしても良さそうですね。
バトルパート
バトルパートは5人デッキを編成し、各キャラクターたちが魔法を使って戦います。
一見戦略系のように見えますが、実は結構簡単。戦い方はターン制になっており、毎ターンキャラクターが攻撃する順番と使用する魔法を選択するだけでOK。ぶっちゃけ序盤であれば何にも考えないで適当にタップしても勝てます。このあたりがシミュレーションゲームではなく、アドベンチャーゲームにカテゴライズされる理由かも。バトルもやりこみ要素というよりはキャラクターを愛でる感が強い気がします。
個性豊かなヴィランズ達
『ディズニー ツイステッドワンダーランド(ツイステ)』の最大の魅力と言えるのが、ディズニー作品にインスパイアされたイケメン達。現時点で仲間になってくれるのは人数で言えば22人(+それぞれのカードのレア度分がある)で、【ナイトレイブンカレッジ】に存在するディズニーの有名作品にインスパイアされた7つの寮に所属しています。
公式キャラクター紹介PV
七つの寮とは
- ハーツラビュル寮
「ふしぎの国のアリス」の世界観インスパイアの寮。
「ハートの女王」の厳格な精神に基づいている。
キャラは王道アイドル系イケメン達。
- スカラビア寮
「アラジン」の世界観インスパイアの寮。
砂漠の魔術師の熟慮の精神に基づいている。
キャラはエキゾチックな褐色肌イケメン達。 - サバナクロー寮
「ライオン・キング」の世界観インスパイアの寮。
百獣の王の不屈の精神に基づいている。
キャラはケモ耳付きの肉体派ワイルド系イケメン達。
- ポムフィオーレ寮
「白雪姫」の世界観にインスパイアされた寮。
美しき女王の奮励の精神に基づいている。
キャラはイケメンでもキレイ系が多い印象。 - ディムソニア寮
「眠れる森の美女」の世界観インスパイアの寮。
茨の魔女の高尚な精神に基づいている。
キャラの雰囲気は魔界を連想するような、ちょっとダーク系。 - オクタヴィネル寮
「リトル・マーメイド」の世界観インスパイアの寮。
海の魔女の慈悲の精神に基づいている。
キャラは(見た目だけ)執事っぽい、ハットが似合うイケメン達。
- イグニハイド寮
「ヘラクレス」の世界観インスパイアの寮。
死者の国の王の勤勉な精神に基いでいる。
キャラは最も特徴的でSFちっく。好みが分かれそう。
ちなみに、どの寮に入るのかは個人のもつ「魂の資質」によって決まるとのこと。ハリーポッターやんけ、とエセ関西弁で呟きたくなりますね(笑)。魂の質の問題か、それぞれの寮のキャラクターは統一感があり、見た目ですぐにわかります。個人的にキャラクターの特徴を書きましたが、性格は様々で揃いも揃って個性的です。
サブキャラ(?)も魅力的
メインのキャラクターたちは(多分)はっきりとした元ネタは無いようなのですが、先生役などで登場しているナイトレイブンカレッジ関係者達は公式からも何インスパイアキャラかた公開されています。例えば…
【#ツイステ インスパイア作品紹介】
デイヴィス・クルーウェル Twisted from『#101匹わんちゃん』◆ヴィラン:#クルエラ
登場する変わりもので非情な悪女。毛皮が大好きで、ダルメシアンの子犬たちの毛皮で特製のコートを作ろうとたくらみ、子犬15匹を含む、99匹ものダルメシアン犬を集めます。 pic.twitter.com/I6hqTwS2ar— ディズニー・ゲーム公式 (@disneygames_jp) August 16, 2019
あの「101匹わんちゃん」の意地悪マダムがこんなイケメンに…!天才!
なんていう驚きがあるのもツイステの魅力だと個人的には思っています。調べれば元ネタは分かってしまうのですが、ディズニーファンの方はキャラ当てをしながらプレイしてみるのもありかも。
リセマラは必要か?
ツイステはゲーム開始時に、一人だけ自分の好きなキャラクターを選ぶことが出来ます。この最初に選んだキャラクターはSRのカードでもらえるので、この時点でめちゃくちゃ迷うという方も多いはず。そのあとにチュートリアスを進めると10連ガチャをひける場面があります。
このチュートリアルガチャは無制限にひき直しが可能。SSRx1枚+SRx2枚+ Rx7枚という配分は固定のようなので、自分の推しキャラ達が良い具合に出るまで粘ってみると良いと思います。ゲームシステム的にはデッキに入れるキャラクターによって“バディボーナス”が発動することがあるので、強いて言えば相性の良いカードを選ぶと良いでしょう。
チュートリアル完了後に配布されていた魔法石300個を使ってガチャをする←やるとすればココがリセマラ対象になります。が、序盤をやってみた感じストーリーを進めるのにそこまでこだわる必要は無いかなと。リセマラするとチュートリアルガチャも消えてしまうので、よほど気合が入っている方以外はしなくても問題無いかなと。
『ツイステッドワンダーランド』の魅力と評価
個人的な総合評価
現時点でもストーリのボリュームが多く、今後さらに追加されるとすると飽きる心配は少ないように感じます。演出も結構凝ってますし、アドベンチャーゲームとしてはかなりクオリティが高いと言えるのではないでしょうか。シナリオゲームだけだと飽きるんだよね、という方にも良さそう。
ただ、アドベンチャーパート以外のゲーム要素が多いのが魅力ではありますが、どれも専門のゲームからすると簡易版の印象は拭えません(音ゲーは苦手なので比較が正確ではないかもしれませんが)。ツイステの世界観が好きだからこそ楽しめる、ミニゲームのような印象がありました。なので個人的には「アドベンチャーゲームとしては良作」と言いたいです。
ゲーム内イベントの予定も続々と公開されていますし、とにかく誰を推しにすれば良いのかわからないくらいにキャラクターが魅力的。ストーリーも恋愛恋愛したものというよりは、ドタバタ学園ファンタジー要素が強いので筋金入りの乙女ゲーマーさんでなくとも楽しめますよ。(筆者はこってり恋愛もの苦手です)が、ツイステは普通に目の保養に嬉しいゲームとして楽しめました。
参考・画像元:ツイステ公式サイト